【県経済の現況】2025年は「持ち直した1年」、倒産は2年連続100件超
新潟県統計課は9月30日、2025年の県内経済の動きをまとめた「県経済の現況’25~’26」を公表した。原材料価格などの上昇による影響はみられたものの、企業の収益や個人消費に改善の動きがあったとして、「持ち直した1年」と振り返った。分野ごとの主な動きは次のとおり。
個人消費:食料品の値上がりで販売額が増加
百貨店・スーパーの販売額は前年比2.9%増と、6年連続で前年を上回った(全国は2.8%増)。コメを中心とした食料品の値上がりが販売額を押し上げ、商品別では飲食料品が3.9%増えた。一方、衣料品は、冬の気温が高く冬物が伸び悩んだことや、夏の猛暑で外出が減ったことなどから9.6%減った。
コンビニエンスストアは、物価高を踏まえた割引セールが功を奏して前年を上回り、家電大型専門店もパソコンの買い替え需要などで前年を上回った。ホームセンターはインテリアの販売が減り、前年を下回った。乗用車の新規登録・届出台数は7万4,299台(2.9%増)で、2年ぶりに前年を上回った。前年、一部の自動車メーカーが認証不正で生産を止めた影響が解消したことなどが理由だ。
物価と賃金:物価は上昇、実質賃金は2年ぶりに低下
新潟市の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、年間を通じて上昇した。高校生等臨時支援金で授業料の支援が広がり「教育」は下がったが、前年に続いてコメを中心とする食料品が値上がりした。年の後半は、電気・ガス料金の負担軽減策で上昇が緩やかになった。
賃金は、ボーナスなど特別に支払われた給与が減り、名目賃金指数が3年ぶりに低下した。物価の上昇もあり、実質賃金指数も2年ぶりに低下した。
建設・住宅:住宅着工は9年ぶりに増加、公共工事は2年連続で減少
新設住宅着工戸数は8,699戸と、前年より424戸(5.1%)多く、9年ぶりに前年を上回った。4月に建築物省エネ法などが改正される前の駆け込み需要に加え、給与住宅(社宅など)や貸家、分譲住宅の着工が堅調だった。
公共工事の請負金額は前年比1.7%減と、2年連続で前年を下回った。発注者別では、市町村が12.2%増えた一方、国が1.4%減、県が2.2%減、独立行政法人などが50.6%減った。年の後半に、前年にあった国の大河津分水路関連工事などの大型工事の反動が出た。工場や店舗などの非居住用建築の着工床面積は52万2,230平方メートルで、12.1%減と4年連続で前年を下回った。
生産:年後半、加工用米の不足で食料品工業が低下
鉱工業の生産は、4〜6月期まではおおむね横ばいで推移したが、7〜9月期に低下した。主食用米への作付け転換で加工用米が不足した影響などから、食料品工業の生産が落ち込んだ。
企業:価格転嫁が進んで増益
日銀短観によると、県内企業の2025年度の売上高は前年度比2.9%増(製造業2.7%増、非製造業3.1%増)、経常利益は12.2%増(製造業11.4%増、非製造業13.2%増)だった。全国の経常利益(7.1%増)を上回る伸びで、仕入価格の上昇分を販売価格に転嫁する動きが進んだことなどが背景にある。日銀短観の景況感も、年間を通じて「良い」と答えた企業が「悪い」を上回った。ただ、中小企業の景況感は、悪化幅の拡大と縮小を繰り返した。
設備投資は、製造業が前年度と同じ水準、非製造業が前年の大型投資の反動などで17.7%減り、全産業では6.8%減った。投資の目的では「情報化(DX)投資」を挙げる企業の割合が前年度より4.2ポイント上がった。
倒産:2年連続で100件超
負債総額1,000万円以上の企業倒産は129件で前年と同数となり、2年連続で100件を超えた。従業員10人未満の小規模な企業が大半で、人件費や原材料価格の上昇などが影響した。業種別ではサービス業などが36件、建設業が28件、原因別では販売不振が112件で最も多かった。負債総額は約139億円で前年より22.9%減り、負債10億円以上の大型倒産は1件だった。
雇用:求人倍率は低下、人手不足感は強いまま
有効求人倍率は年間を通じて低下した。物価が上がる中、離職で収入が一時的になくなることへの不安から転職に慎重な人が多く、求職者数が減った。一方、人件費の増加や米国の関税措置による先行きの不透明さから求人を控える動きもあり、新規求人数は3年連続で前年を下回った。それでも、企業の人手不足感は年間を通じて強い状態が続いた。
7月には小千谷市に工場を持つ半導体製造企業が倒産して多くの人が解雇され、その半数を50歳代が占めた。年間の解雇者数は前年を上回った。
2026年:「持ち直している」
2026年の県内経済について、県は年の半ばの時点で「原材料価格等の上昇による影響などがみられるものの、持ち直している」とみている。日銀短観の6月調査では、製造業の半導体関連の受注増加や非製造業の値上げによる収益改善で、景況感の改善幅が広がった。県内企業の26年度の設備投資は、非製造業が22.8%増、製造業が6.0%減で、全体では前年度比3.9%増の計画となっている。
【関連リンク】
新潟県 新潟県経済の現況25~26公表しました