【記者ノート】ネクストリゾート上越(株)の田知花康彦社長(68)インタビュー

Jホールディングスから、温浴4施設運営会社「ネクストリゾート上越」として再スタート3年半、地域に愛されながら、更なる経営健全化も

インタビューに応えるネクストリゾート上越(株)の田知花康彦社長

新潟県上越市の第3セクターの持ち株会社「Jホールディングス」が2023年(令和5年)度末で解散し、その後「ネクストリゾート上越(株)」が改めてスタートして3年半余り経過したが、事業子会社だった『長峰温泉・吉川ゆったりの郷』、『柿崎マリンホテルハマナス』、『大潟健康スポーツクラブ・鵜の浜人魚館』、『板倉保養センター・ゑしんの里やすらぎ荘』の4温浴施設それぞれの運営会社が合併した形で、新しい運営会社「ネクストリゾート上越(株)」として再スタートしたもので、本社の所在地は吉川区長峰の「ゆったりの郷」となったのだ。

田知花康彦社長は「当然ながら、4施設の従業員はネクストリゾートの従業員となることから、勤務はそれぞれの施設で働くが、一つにまとまり力を合わせて会社を盛上げている。温泉施設でもあり、地域に愛される施設として利用客増を目指すとともに、Jホールディングス時代からの課題である更なる経営健全化にも取組んでいる」と一貫した経営方針で進んでいる。

運営する4施設とも、上越市内13区に立地しており、各区の中で重要な施設となっているので、『施設を長く残せるよう頑張りたい』

同社本社が入る「長峰温泉・吉川ゆったりの郷」

4施設のもう一つ、日本海を一望出来る「マリンホテル・ハマナス」

吉川区の「ゆったりの郷」は県道新井柿崎線沿いにあり交通の便も良く、しかも「道の駅」内にあり、県道を挟んで旧吉川町時代から続く酒造会社「よしかわ杜氏の郷」もあることから酒まつりなど様々な観光イベントも行われ、ゆったりの郷の利用者は比較的堅調に推移している。宿泊に力を入れる柿崎区の「マリンホテルハマナス」は日本海を一望出来る絶景も楽しめる。

大潟区で70年続く鵜の浜温泉には温泉やプールなどを楽しめる「鵜の浜人魚館」がある。光ヶ原高原とも繋がる板倉区の「やすらぎ荘」は“山の幸”の宝庫だ。田知花社長も「市や地域等とも連携してどう魅力をPRしていくか。私達も市から指定管理を受けて運営しているので、多くの皆さんから利用して戴き、この魅力ある施設を長く残していくことが大きな役割である」と語る姿に強く共感した。

民間でお客様商売長かった田知花社長「収支を保つことが最需要であり、同時に高齢者から喜ばれる施設運営でありたい。災害避難所役割も

田知花社長はこれまで長年にわたり百貨店や老舗料亭などで働き、お客様商売に関わるとともに、市の温浴施設に関わってからも支配人や社長業を経て、ネクストリゾート上越の社長を3年半ほど務めている。

「今、振り返えると様々な仕事を重ねて来たが、どんな仕事でも“お客様第一”でやって来たつもりだ」と話し、今は、『好老社会に感謝でこたえ、新たな挑戦を続ける』との基本理念で社長業を続けていると言う。「温浴施設は比較的ご高齢のお客様が多いが、多世代のお客様から喜ばれる施設運営に努めていきたい。現在は人件費高騰や燃料費が上がっており、経営的にはどう収支を保つかが最重要課題である。その一方で、自然災害の発生頻度が増える中で、お風呂や大広間を持つ私どもの温浴施設が、特に高齢者の皆さんの避難所の役割が果たせればいいのでは」と高齢者思い遣る田知花社長の優しい思い遣りに感動した。

上越市1市13町村の大合併で、しかも少子高齢化が拍車を掛け、各町村の温浴施設等の持続は至難の業、どう工夫を図っていくか

上越市は1市13町村が合併してまもなく23年目を迎える。旧町村時代にはほぼ全町村に温浴施設があったため、合併時にはその運営継続が財政的にも大きな課題であったが、既に無くなった施設も多く、また指定管理のうえでの民営化の施設もあるが(スキー場や複合施設等)、当該の4施設は「ネクストリゾート上越」によって継続されているのだ。

少子高齢化が進む中で、旧町村部にあったこうした施設を“持続発展”させるのは、至難の業であり、地域住民はもとより上越市全体で利用促進を図っていかねばならないのも当然の帰結と言えよう。しかも地方自治体も財政的に厳しい現状にあり、施設の修繕でさえ、余裕が無いのが実情だ。とは言え、貴重な観光資源であり、設置者である市が温浴施設の現状を踏まえ、より多くの皆さんから利用して戴くための修繕などにも十分な配慮・対応も望みたい。

竜 哲樹(にいがた経済新聞ライター)

こんな記事も