高温に耐性を持つ新品種コシヒカリ「NU1号」、新潟大学が2021年度の実証実験の結果を報告


新潟大学農学部の三ツ井敏明教授

新潟大学(新潟市西区)は16日、同学が開発した猛暑による高温に耐性を持つ新品種「コシヒカリ新潟大学NU1号」の2021年度実証実験の報告会を開催した。

近年、夏場は猛暑日となる日が増えているが、コメは高温下におかれると、でんぷんを分解する酵素の働きが活発化して白濁し、品質が低下するため、県内ではコシヒカリの一等米比率が低下するなど、地域農業への被害が深刻化している。

こうした状況から新潟大学では長年、高温に強いコシヒカリの開発を進めてきた。同学の刈羽村先端農業バイオ研究センターの研究グループは2020年3月、高温・高二酸化炭素耐性を有する新品種「コシヒカリ新潟NU1号」を品種登録。同年の猛暑下で従来のコシヒカリと「NU1号」の育成にどのような差が生まれるか、刈羽村で実証実験を実施して、その高温耐性を裏付けた。

会見で展示されていた「NU1号」

そして2021年は、柏崎・刈羽地域での栽培面積を大幅に拡大するとともに、南魚沼市塩沢地域でも栽培を実施。今年は出穂時期となる8月初旬は高温となったものの、中旬は比較的涼しく、下旬は平年並みの気温となり、コシヒカリの育成には適する気候となった。その結果、コシヒカリの玄米外観品質は整粒が85%で高い水準となり、「NU1号」は92%でそれを上回る結果となった。なお、「NU1号」の未熟粒と被害粒の比率は8%で、コシヒカリの15%を約半数に止まった。

新潟大学農学部の三ツ井敏明教授は、コシヒカリにとって好条件である平年並みの気候であっても「NU1号」の特性が発揮され、また食味においては従来のコシヒカリと同等の品質を維持できた点に自信を示す。

一方で、収穫量に関しては柏崎・刈羽地域で大きく落ち込む圃場があった点など、栽培条件に関して未だ不明瞭な点があり、来年度は村上から上越まで県内全域で実証実験を行うことで、地域差や気候条件などの検証を重ねていくという。

また、今後本格的に商品化していくにあたっては、稲熱病などの病気(現在流通する県産コシヒカリの多くは、稲熱病に耐性を持つ「コシヒカリBL」)への対処などが課題となっていくようだ。

「NU1号」

 

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