東北電力新潟支店(新潟市中央区)が東北電力グループ中長期ビジョンを発表


中長期ビジョンを説明する、上席執行役員で東北電力新潟支店長の髙野広充氏

東北電力新潟支店(新潟市中央区)は27日、記者懇談会を開催。東北電力グループが同日付で公表した、2030年代に同グループあるべき姿を目指す、中長期ビジョンについて説明した。

この中長期ビジョンでは、2020~2024年をビジネスモデル転換期、2025~2030年を成長加速期と位置づけている。この間、東北電力グループは、基盤事業である電力供給事業の構造改革を推進するとともに、同グループが成長産業と位置付ける「スマート社会実現事業」を展開。これまでに培った電力事業のプロフェッショナルとしての蓄積と地域の人々との絆を活かし、社会課題を解決するとともに地域に住む人々の快適・安全・安心に暮らせる社会を実現するという。

ビジネスモデル転換期の方針は、3つの力点「Change」、「Challenge」、「Create」で構成される。このうち、Changeでは、電力供給事業の抜本的変革による競争力の徹底強化を掲げる。各種電源構成の中で、再生可能エネルギーに関しては風力発電を主軸とし200万kwの開発を目指すという。ただ、2020年2月時点の再エネ出力は、東北電力グループの主な開発・参画拠点11か所を全て合わせても約30万kwに留まる。差分については今後、同グループが主体的に取り組む事業のみならず、既に他社が推進する事業にも参画するなどして確保していく見通しだ。

また、Challengeではスマート社会実現事業の早期収益化への挑戦を掲げ、VPPや分散型エネルギー・蓄電池設置等のサービスの早期事業化、モビリティサービスの検討・展開、スマートシティやタウンマネジメントへの参画などを実施するという。このうち、VPPに関しては、新潟県との包括連携協定に基づき、新潟市や佐渡市で実証実験に向けた取り組みが進んでいる。

さらに、Createでは企業価値創造を支える経営基盤の強化を掲げ、本年7月にはスマート社会実現に向けた事業創出部門の設置・強化のため、コーポレート組織を再編し、新たに事業創出部門を設置するという。

東北電力グループが中長期ビジョンを策定した背景には、競争の激化や送配電部門の分社化のみならず、再生可能エネルギーの導入拡大やデジタル化に伴う電力需給構造の変化など、同グループ全体を取り巻く事業環境の変化がある。特に、同グループが事業基盤を置く東北6県や新潟県は、他地域と比較して人口減少や少子高齢化が加速するなど、社会構造が大きく変化しようとしていることも理由の1つだ。