第3回「新潟県水素関連産業参入研究会」にて、水素市場への参入に関する講演と議論が実施

第3回「新潟県水素関連産業参入研究会」は全てオンラインでの参加となった

新潟県では現在、産業振興や脱炭素社会実現へ向けて、クリーンエネルギーとしての水素の活用が注目されており、製造から利用に至るサプライチェーンの構築や小型燃料電池バスの開発など各種調査と研究が進められている。こうした中2020年12月には、県内の製造業企業などが水素関連産業へ参入することを支援するため「新潟県水素関連産業参入研究会」が設立。10日にはその第3回目が開催された。

第3回研究会では、国立研究開発法人産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(FREA 福島県郡山市)の古谷博秀センター長と、株式会社清流パワーエナジー(岐阜県岐阜市)の向後高明取締役による水素産業に関するオンライン講演が実施され、シマト工業株式会社や株式会社青梅製作所など研究会会員の企業が集まった。

講演で古谷センター長は、パリ協定(2015年に採択された気候変動抑制に関する国際的取り決め)における長期目標や水素をめぐる各国の戦略などから解説を始めた後、日本における、洋上風力や太陽光なども含めた再生可能エネルギーのポテンシャルと課題、FREAが実際に行っている開発と事業などの具体的な内容を説明した。

古谷センター長は「2020年は欧州において水素戦略の策定が進んだ。日本においても、温暖化への対応を経済成長の制約やコストとする時代は終わり、成長の機会と捉える時代に突入した」と語る。脱炭素を牽引するドイツにおいては、国内再生可能エネ水素製造能力の目標を2030年までに5ギガワット、2040年までに10ギガワットと設定。さらに国内水素技術の市場創出に70億ユーロの予算を確保する。ほかにも、フランス、オランダといった国単位から、EU全体での戦略も発表されている。また、アメリカと中国の動きも無視できない。

2019年4月にオープンした北信越地方初となる水素ステーション「イワタニ水素ステーション新潟中央」

日本においては2020年10月に菅内閣総理大臣が「2050年までにカーボンニュートラル実現」と表明したが、「産業界はこれまでのビジネスモデルや戦略を根本的に変えていく必要がある。大胆な投資をし、民間企業の前向きな挑戦を全力で応援することが政府の役割」と古谷センター長は講演で語った。また、エネルギー需要などの具体的見通しを示すことで企業が挑戦しやすい環境を作ることも重要だという。

再生エネルギーセンターは2014年に設立。技術開発やデータベース構築などを通して再エネ主力電源化の早期実現に向けた技術開発を目指す。また、福島・宮城・岩手の被災地域における新たな産業の創出を支援するため、3県に所在する企業が開発した再エネ関連シーズやノウハウを評価・教育する事業も行っている。

講演の後の意見交換は非公開となったが、古谷センター長は、水素のマーケットとしての自立は2030年以降になるとの見解を示し、その際に立ち上がる分野に関して、新潟県内企業とのディスカッションに期待を示していた。グリーンエネルギーに関する民間での本格的な動きはまだ先になりそうだが、それまでの技術的蓄積が企業の成長に差をもたらすことは間違いないだろう。

 

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