【採用のツボ】人材を見極め惹きつけるための極意③「良い人を」採るための伝える力 〜まだ、ホワイト企業推しですか?〜 —— オーエンス代表 並木哲彦

直近のピックアップ記事を日曜日に再掲載します
掲載日:2024年6月10日(最終更新:2024年6月23日)

前回の記事では、「自社にとって良い人」を採用する具体的な方法についてお伝えしました。今回は、「当社に応募してほしい人」に伝える内容についてお話しします。

(前回の記事)「良い人を採る」

 

結果として残念な募集記事

「⚫︎⚫︎ナビ」などの求人サイトでよく見かける「年間休日125日、残業なし、フルテレワーク勤務」という魅力的な見出しや求職者に心地良い募集記事。しかし、こうした打ち出しで本当に欲しい人材を採用できたケースはあまりありません。

なぜなら、この見出しに惹かれる人材は前職で疲れ切っていて、次の職場に求めることはホワイトな環境だけだからです。面接をしてみると、応募理由はほとんど「御社は残業がないから」といったもので、戦力として期待できそうには見えません。

「こんな応募者しか来ないのか…」とガックリしますが、その原因を作っているのは求人企業自身です。

 

実例紹介・募集記事は振り切る

ある経営者との会話です。

————

経営者: 1年後に番頭さんが定年退職するので、後任を採用したいんだけどどうすれば良いかな…。以前、人材紹介会社を利用したんだけど入社後の定着が上手くいかなくて。応募の時点からうちの会社をよく理解して欲しいんだよなあ。

中小企業の採用あるあるです。経営者には事業でも採用でも必ず要望があるので聞いてみます。

私:今回はどんな採用にしたいですか?

経営者:当社のことを理解して自ら応募して欲しい。なので、今回は転職ナビサイトを使いたい。できれば、3名くらい面接をして選びたい。

私:なるほど、自発的な応募者から選びたいのですね。では、応募者に御社の採用メッセージを伝えたいので御社の特徴や求める人物像をシャープにしましょう。御社で仕事をする上で最も重視していることは何ですか?

経営者:最も重視していることはチームプレー。当社は建材商社なので販売先も仕入れ先も大切なお客様です。施工会社が工期通りに高品質な工事を納めるために私たち商社はメーカーさんと協力して資材供給を担っています。いわば、プロジェクトチームです。

また、社内では資材を安定供給するためにメーカーさんの情報(在庫状況やデリバリー期間など)は誰か一人が知っているということではなく、営業チームとデリバリーチームで常に共有しています。

営業メンバーが「こんな用途で資材を求められているんだけど、良い製品ないかな?」と問いかけると、みんなで解決策を探ります。解決できるまで徹底的に取り組み、お客様のオーダーに応えます。その為の残業もあります。

私:取引先も仕入れ先も、社内もみんなで解決。至る所でチームプレー。これは御社の特徴ですね。

もう1つ教えてください。「御社で活躍している社員の社長の評価ポイント」を教えてください。

経営者:評価ポイントはチームプレーをできていること。前述の通り、当社の業務は営業とデリバリーが一体となって仕入れと販売を行っています。この輪が崩れると商売になりません。活躍している社員は総じてチームプレーが上手です。

————

このインタビューをもとに、ナビサイトの見出しには耳あたりの良い就業条件は一切記載せず、「チームプレーをできる人」を謳い、記事内でその背景を説明し、課題解決のために残業があることも記載しました。

結果として、応募者数は想定の20名を超え220名に達し、選考通過者は全員「チームプレーでお客様に貢献したい」という志望理由でした。

 

振り切った記事のポイント

求人記事で応募者に耳あたりが良いことを書かないのは勇気が要ります。ギャンブルのように見えるかもしれませんが、実はそうではありません。その記事に共感した人材のみが応募してくれます。振り切った記事にする際のポイントはその背景を丁寧に説明することです。

ちなみに、当社の採用サイトで「脳みそで汗をかく」ことをコンセプトにした記事を掲載したところ想定以上のレベルのインターン希望者からのエントリーがありました。ターゲットを絞り、そのターゲットに響く記事にする。ワクワクしながら応募を待ちましょう。

*****

次回の「採用のツボ」は、「良い人を採るための見究め力」についてお話しします。(次回は2024年6月下旬に掲載予定)

並木 哲彦(なみき てつひこ)株式会社オーエンス代表取締役。大学卒業後、銀行で法人向け新規開拓営業をする中で企業の人事や人材に関する課題の多さに注目し、2003年に人材コンサルティング会社を起業。起業後5年間は金融・不動産業界に特化した人材紹介業を行い、リーマンショックを機に第2創業として人事・採用コンサルティングに看板を掛け替える。

現在は常時、10社の社外人事部長としてクライアントの人事的課題解決をサポート。人材採用から社内ルールの策定、人事制度の導入、そして中間管理職のスキルアップ支援まで、社長が望むがなかなか実現できない課題を解決しクライアントの事業計画達成をサポートしている。学習院大学 応援団卒。現在、学習院大学応援団OBOG会長を務める。会社名は「企業とヒトの成長を応援するオーエンス」という企業マインドから命名。

 

シリーズ【採用のツボ】人材を惹きつけるための極意

 ①「良い人」を定義する

②「良い人を採る」

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓