【市村レポート/ニュースの現場から#1】地域防犯アプリ「にいがたポリス」運用に尽力した県議が語る「当事者意識と防犯まちづくり」

新潟県議・市村浩二氏

にいがたポリス、既に成功事例も報告

新潟県警察は2026年3月2日に、防犯アプリ「にいがたポリス」の運用を開始した。

県警はそれまで、メール配信サービス「ひかりくん・ひかりちゃん安心メール」において不審者情報や事件の発生・手配情報、行方不明者情報などを発信してきた。携帯電話、スマートフォン、パソコンのメールが配信対象だが、登録者数は頭打ちになっていたという。

地域防犯アプリ「にいがたポリス」は3月2日に運用開始

 

一方で、新しい防犯アプリが導入され進化した点は多い。最も大きな進化はマップ機能が搭載された点だ。犯罪・不審者・特殊詐欺・交通情報・クマや動物の出没・行方不明者などの情報をマップ上に表示して知らせてくれる。事件現場と現在地や自宅との距離を瞬時に把握できることで、防犯意識が高まる。防犯意識を高めるには、地域の犯罪を「対岸の火事」としない当事者意識が欠かせない。情報が地図上に示されることで、それが喚起される。

マッピング機能が付加され、メール配信サービスの時より大幅に進化した

またメール配信にはなかった「双方向性」が加わっていることが重要だ。「パトロール支援」機能は、市民が地域をパトロールすることでポイントを獲得し、貯まったポイントを防犯グッズなどと交換できるシステム。住民各々が街の安全に関心を持ち、通報という形で防犯まちづくりに参加する意識が醸成される。

さらに、防犯ブザーやクマ鈴、ちかん対策機能など、スマホアプリならではの音声を活用したサービス機能なども付属されている。

運用開始から約2カ月だが、ここまでアプリダウンロード数は好調で、早い段階でメール配信サービスの登録者数を上回るのではないかと見られている。

4月9日の主要新聞地方版には、にいがたポリスを使用していた60代の女性が、詐欺の被害を未然に防いだ事例が紹介されている。日本郵政を装った詐欺の予兆電話を不審に思い、アプリで確認したところ、この手の詐欺が頻発している実態を知り、そのまま警察に相談して被害を未然に防いだという。

こうした警察本部・警視庁が公式に運用する地域防犯アプリは2026年4月時点で、全国で25例が運用されている。これは国と都道府県単位に絞った数で、神奈川県川崎市のように市町村単位の運用も出始めている。最も先駆けとなったのは警視庁の「デジポリス」で、これが2016年3月の運用開始。都道府県では福岡県警の「みまもっち」が2017年3月の運用開始となっている。新潟県と同じく2026年3月2日には、群馬県警の「ぐんまポリス」が運用開始されている。

県議会で再三提案した市村浩二県議

この地域防犯アプリの運用に尽力したのが新潟県議会の市村浩二県議(公明党)である。

市村県議は2023年10月に開かれた令和5年9月定例会建設公安委員会において、新潟県会で初めて地域防犯アプリについて触れた質問をした。これは前段で「ひかるくん・ひかりちゃん安心メール」の広がりと効果について生活安全部長とやり取りがあったことを受けての質問である。

市村県議 新潟県版の防犯アプリを提案したいと思っている。令和5年の3月に茨城県警がスマートフォン用防犯アプリ「いばらきポリス」の運用をスタートしたが、地図情報に犯罪の発生情報、不審者情報、交通事故情報、偽電話の詐欺情報などが確認できるほか、防犯ブザーとか痴漢対策機能も備えている。さらに防犯メールとの連動機能もある。加えて県民参加型の防犯パトロール機能であるとか、家族の見守り機能などがオールインワンに集約されている。新潟県の特性を活かした地域防犯アプリの開発をしていただきたいが、これについて所見を伺いたい

これに対して執行部側が「防犯アプリの有効性は、十分認識している。導入について検討していきたい」と回答し、令和6年度予算に盛り込む可能性にも言及した。

さらに、その6日後に行われた令和5年9月定例会連合委員会でも、予算確保に向けた質問を知事に対して行っている

市村県議は翌2024年12月に開かれた令和6年12月定例会建設公安委員会においても、防犯アプリ開発の進捗を質し、執行部側から「令和7年度中の導入に向けて、現在、県財政当局と調整中である」との回答があった。この回答どおり、同年度3月の運用開始にこぎつけている。

「県民の皆様が自ら防犯行動を起こすきっかけとなり、地域全体の防犯力向上に大きく貢献するものと期待している」(市村県議)

令和5年9月定例会連合委員会で質問に立った市村県議

県民の身の安全を守る政治

市村県議は、特に県民の身の安全を守る政策に関して積極的に議会で数多くの質問、提案を行っている。県議の取り組みがきっかけとなって事業化された政策も少なくない。

市村県議が県議会一般質問で提案した「新潟県道路損傷通報システム」。2022年2月から運用開始

代表的な事例では県土木道路管理課が2022年2月から運用を開始したLINE公式アカウント「新潟県道路損傷通報システム」は2021年10月に開かれた県議会一般質問における市村県議の提案が発端となったもの。このシステムにも、市民が公共土木施設の被災・損傷情報などを写真付きで通報できるSNSを活用した『住民通報システム』が構築されている。事業者側からだけの一方通行ではなく、市民からの通報・情報提供をくみ上げる双方向性を備えている点で、「にいがたポリス」と共通する要素がある。

2026年1月に新潟市東区の道路で大規模な道路陥没が発生したのは記憶に新しい。地下下水道管の破裂が原因とされているが、このように公共インフラの劣化による災害は市民のすぐ隣で起こりうる。普段から「道路に変な穴ぼこ見つけた」「車で通行中に変な音が聞こえる」「コンクリートにひび割れがあった」などの異変に敏感になっておくことは大切だ。

市村県議が発見し、公式LINEアカウントから通報を行った道路の穴(上が修復前、下が修復後)

市村県議は難関国家資格の技術士(総合技術監理部門、建設部門)を取得した稀有な政治家で、県議になる前には「道路点検」「橋梁点検」などインフラのパトロールに勤しんだ。そうした経験から、県民ひとりひとりが「当事者意識」をもって安全のために目を凝らすことの大切さを知っている。

「公的機関も頻繁にパトロールは行っていますが、どうしても限界はあります。県民一人一人が、普段の生活の中で、『ながら』で構わないので、気にかける習慣があれば、安全が守られる確率は格段に上がると思います」(市村県議)

県議自身、今年3月末に新潟市江南区で道路の損傷を発見し、「新潟県道路損傷通報システム」を用いて異変を通報した経緯がある。道路はすぐさま補修され、県民の安全が守られた。こうした安全への意識高揚で守られる生命は必ずある。

トピックはもうひとつある。

新潟県では2025年度、雪による被害が260人を超え、死亡者数は過去10年間で最多となった。最も多いのは屋根の雪下ろしなど除雪に関する事故で、全体の7割近くを占めている。屋根の雪下ろしに際し、命綱は絶対に必要なのだが、命綱を装着するにはそれを括りつける「命綱固定アンカー」が必要となる。

この命綱固定アンカーの普及促進は、県が屋根雪対策条例を定めて積極的に進めてきたが、2021年に『命綱固定アンカー普及促進事業』が始まるまで設置に対して補助金の交付もなかったことから、遅々として進んでいなかった。同年に克雪すまいづくり事業と合わせて約6,000万円の予算が盛られ、令和6年度末の実績で累計689戸の設置実績を計上するに至った。それでも昨年度には史上最悪の被害が出ているのが現状である。

単管を配したシンプルなつくりの命綱固定アンカー

命綱固定アンカーの普及促進に関して、新潟県議会で多くの議員が俎上に載せている。市村県議はその代表格で、令和元年11月の新総合交通・防災対策特別委員会にはじまって令和5年12月定例会まで、5回にわたって命綱固定アンカー普及促進について質している。そうした地道な働きかけの甲斐もあってか2026年4月に県は、命綱固定アンカー設置の補助率を拡充し、従来の補助率5割から9割まで大幅に引き上げられた。

高市早苗現総理が、2024年の自民党総裁選出馬の際に「国の究極の使命は、国民の生命と財産を守り抜くこと」と発したが、これが県政になると「県民の生命の安全」が最重要事項となる。にいがたポリスの運用開始や命綱固定アンカーの補助拡充は、現場を知る本物の政治家たちの尽力がもたらした帰結なのだ。

「県民の生命と財産を守る」が県政の指針

 

 

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