能水商店(糸魚川市)、県立海洋高生と開発の「あんこうバーガー」が4年間で1万食突破

海洋高校生徒とあんこうバーガー
糸魚川名産×ユニークさ×美味しさの共演…。新潟県糸魚川市の道の駅「マリンドリーム能生」の能水商店で販売する「あんこうバーガー」が、発売から4年間で累計販売数1万食を突破した。
大相撲の横綱・大の里の出身校としても有名な新潟県立海洋高校の生徒が商品開発に携わり、販売促進にも参加。糸魚川市の名産で、冬の鍋料理というイメージの強いアンコウをバーガーに仕立て、口コミやメディアでの紹介を通じて客層を広げている。

白身が美味のあんこうバーガー
開発の出発点は、アンコウの新しい食べ方を提案することだった。同校食品研究部の生徒と店舗側が協力し、衣やソースの組み合わせを検討。休日も含め、10回以上の試作を重ねた。
課題は身以外の部位の活用だ。能水商店の店長は「アンコウ全体を丸ごと食べられるような何かができたら」と振り返る。皮やえら、胃袋をミンチにして煮込み、チリソースに仕上げた。店長によると、このソースの開発にも苦労したという。「チリソースの中の皮とかが、ちょっとプリプリしている」と、部位ごとの食感も特徴に挙げる。記者が試食した際も、白身は口の中でとろけるような食感だった。
販売数は初年の約2000食から伸び、2025年は年間約5000食に達した。店長は「県外の方はアンコウを珍しいものと思われていて、アンコウバーガーというネーミングで興味を持ってご来店される」と分析する。「リピーターになってくださるお客様が最近多い」とも話す。2025年から冬季に出店するスキー場で食べた客が、道の駅の店舗を訪れる例もあるという。
販促も生徒との共同作業だ。インスタグラムを活用し、動画素材を撮影。地元ケーブルテレビのJCVやFM長野でも紹介した。店長は「お金をかけて何かプロモーションしたことは、そこまでない」と説明。口コミに加え、授業の一環として取り組む情報発信が認知を広げている。

10月10日から12日は、海洋高校生徒も宣伝活動を行った
10月10日から12日までの記念イベントでは、3日間で500食の販売を目標に掲げ、11日までに約450食を販売した。食べられる七つの部位「七つ道具」を味わえる「プレミアム」も発売。価格は1550円で、今後は通常メニューとして提供する。
同校の担当教員は、ヒットの理由に「味がまずおいしい」と、アンコウの珍しさや高校生の関わりを挙げる。実店舗で生徒がマーケティングや販売を経験できることも評価する。
同校が2021年に文部科学省「マイスター・ハイスクール事業」に採択され、2015年から続く糸魚川市を含む産学官連携事業の実店舗として能水商店が海洋高校のアンテナショップとしてオープン。生徒は、商品開発時の市場調査や手掛けた商品をアピール販売する経験も積む。店長は「アンコウの新しい食べ方として、今後定着していってもらえたら」と話した。

マリンドリーム能生にある能水商店アンテナショップ

能水商店内の海洋高校出身力士の手形