【記者ノート】(株)アルゴス(妙高市)の古川征夫会長インタビュー「日本有数豪雪地帯で半世紀以上にわたる雪氷関連の知識と経験を生かしながら、今後も雪国を守りたい」

道路や河川はじめとするインフラ整備に、雪氷技術等も生かした“雪国コンサルタント”として

1997年(平成9年)、業務拡大により(株)アルゴス本社を現在の東陽町に新築移転した

(株)アルゴスの前身は1964年(昭和39年)創立の新井測量だが、測量・用地補償をメインに営業を続け、その後建設コンサルタントとして雪氷対策施設設計・雪氷技術・交通量調査・空間情報・補償コンサルタントなどの主要事業を展開して来た。その間、1989年(平成元年)に(株)アルゴスに改称し、多岐にわたる公共事業を国や県、市と言った行政機関を主要顧客に、道路や河川、砂防をはじめとする社会インフラ整備の業務を進めて来た。

一時県内外にも多くの営業所を開設するなど拡大路線を続けたが、近年は県内を中心にしつつ東北地方へも顧客営業を行っている(現在は新潟支店や長野事務所など)。特に妙高市や上越市といった地域は日本有数の豪雪地帯でもあり、妙高市内には国立研究開発法人土木研究所が置かれるほど昔から豪雪災害や地滑り災害などが多いことで知られており、同社もこうした様々な自然災害における災害対応や防止関連の業務も多く扱って来たことは言うまでもない。

 ICT技術やAI技術、UAV・3Dレーザー等の最新技術を駆使、補償業務管理士が活躍

部門間を超えて協力体制がとれるように、技術者らがワンフロア―に集まって仕事をする

具体的には、雪崩・吹雪対策の調査解析から施設設計、最適な工法提案、更にICT技術を活用した「ICT雪氷」への取組みを通じて雪国の安全で持続可能な社会づくり

にはじまり、交通量調査では可搬型交通量観測装置やAI技術を用いた映像観測により、正確かつ低コストなデーター提供を行うとともに、空間情報でもUAVや3Dレーザー測量等の最新技術による高品質な測量データーを提供し、補償コンサルタントでは国土交通大臣登録の補償業務管理士が公共事業に伴う土地取得や建物移転に関する損失補償を適正に算定するなどしている。なお、同社ではそのためか道路除雪作業支援装置など数多くの特許を持っている。

 長男に社長を譲ったことで、社内の若手の成長とチャンスの場広がり、『ユースエール認定』も

10年程前に、社長を長男の大助氏(51)に譲った。そのこともあり、社員年齢も若返り、今は平均年齢を45歳前後になった。有給休暇取得率の高さは同社の強みでもあり、若手の成長とチャンスの場を広げる努力も評価されて、「ユースエール認定」等も受けるなどした。

更に令和5年度北陸整備局からは交通状況調査業務で若手技術者賞も受賞したが、令和6年1月1日の能登半島地震発生時に被災箇所へいち早く駆付け、交通状況の迅速な確認・報告を行ったことなども評価されたもので、そのほかこれまでも国土交通省関連の表彰も多数だ。なお、同社は女性の技術者も多く、2023年度も30代前半の女性社員2名RCCMに合格するとともに、最近では20代の社員が増え、全体の23%を占めている。現在モンゴル出身に20代女性2人も働いている。

若手採用が可能となっている理由について古川会長は、「新入社員が早期から実践的なプロジェクトに参加し、多様な経験を積む機会を提供していることが若者達に選ばれるのでは。更に資格取得に向けた費用補助や合格祝金、セミナー参加支援などを行い、若手社員の学びを支える制度も整っていることだと思っている」と話し、今後の同社の発展に大きな希望と期待を持っている。同社では業務に関わる技術部門における有資格者がとにかく多い。県測量設計業協会の会長の8年余務めた(その間全国の副会長を務めた時期も)。

「東日本大震災はじめ全国で雪崩災害や地滑り災害が多く発生する中で、私達のような建設コンサルタントで働く人達の人材確保や待遇改善も大きな課題でもあった。当時、低かった測量等の技術単価の正常化に奔走したこともいい思い出だ。国交省や農林水産省、県や自治体などからの受託の仕事も多いことから、長岡技術大学との共同開発も含め、ドローンや最新鋭の機械・機器など技術を導入しながら、公共事業の要請に応えていきたい」と将来を見据えた古川会長だ。また、10年前に引き継いだ古川大助社長も「公共事業とは、地域活動を支え、インフラ等の効率化により経済拡大を促し、地域の発展に寄与するもの」と語り、より良い雪国の創造に向けて日々努力を重ねている。

インタビューに応じる(株)アルゴスの古川征夫会長

竜 哲樹(にいがた経済新聞ライター)

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