MICE開催で新潟の経済活性化を図る、MICEブレインが新潟市で創業


 

朱鷺メッセ。MICEブレインも同施設の11階に入居。

国際的な誘致合戦が繰り広げられ、日本政府も開催誘致に力を入れる「MICE」とは、「Meeting(企業等の会議)」、「Incentive Travel(企業等の報奨や研修旅行)」、「Convention(国際機関・団体、学会等の会議)」、「Exhibition/Event(見本市や展示会)」の頭文字で、ビジネスイベントの総称だ。

MICE開催は、地域への経済効果をはじめ、人・情報の集積によるビジネスチャンスの増加、さらには国家・都市の競争力向上にもつながる。このMICE開催に、新潟県で長年携わってきた人物がいる。「MICEブレイン」代表の三谷博氏だ。

三谷氏は明治大学卒業後、大手証券会社勤務を経てJTBに入社。この後、JTB勤務時代の大半に当たる20年以上を新潟支店で過ごす中、MICE関連の業務に携わることでノウハウを蓄積し、本年1月にMICEブレインを設立するに至った。

MICEブレイン代表の三谷博氏。

 

MICEは開催規模の大きさゆえに、早ければ約3年前から準備に着手する。さらに、企画立案や係る各種事務手続、会場設営や当日の運営、宿泊交通の手配、終了後のアフターフォローに至るまで段取りも多く、これに関わる事業者や主催団体等との調整も欠かせない。MICEブレインではこうした一連の業務について、三谷氏がこれまでに培った豊富なノウハウと人脈を活かし、パートナー企業と連携してサポートする。

新潟市で起業した理由として、三谷氏は新潟市のMICE開催地としての適性の高さを挙げる。新潟市は、近隣の仙台市や金沢市と比較されがちだが、決して他の都市に見劣りしないという。特に、朱鷺メッセは数千人から1万人規模のイベントを開催可能で、大勢の参加者が宿泊可能なホテルも近隣に集中するなど、開催条件として申し分ない。実際、新潟市では平成29年度、大小合わせて240件ものMICEが開催されたという。さらに、日本政府観光局のHPでも新潟市は開催候補地として紹介されており、朱鷺メッセや新潟県民会館、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館など複数の施設が名を連ねている。

一方で、新潟市はMICE開催に関する確かな実績があるものの、この機会を地域経済の活性化に十分に活かしきれていないという。三谷氏はこの状況について、「新潟市の場合、朱鷺メッセなどで様々なイベントが開催されていても、この事実が市民にあまり周知されていません。市中にイベント情報を掲示するなどの啓発活動をはじめ、飲食業界にもこうしたイベントをチャンスと捉え歓迎する体制を整えていただき、訪れた人たちに新潟を十二分に堪能してもらうといった、市全体でリピーターを獲得する工夫が必要でしょう」と語る。

さらに、今後の抱負として、三谷氏は「MICE開催のサポートを手掛ける一方で、地域創成、つまりは地域の魅力を発信し、地域経済の活性化に力を入れて取り組みたいと思っています」と展望を語る。具体的には、県内の地域振興に関する民間企業やボランティア団体とのネットワークを徐々に広げ、これら組織とMICE開催で県内を訪れた人々との橋渡し役を担うことを目標にするという。特に、MICEを開催する場合、参加者の規模や職業などの属性も事前にわかる上に、滞在期間も一般的な観光と比較しても長い。このため、提供するサービスの最適化が図りやすく、橋渡しがスムーズに行えるといったメリットがある。

このように、MICE開催は、開催規模の大きさや関与する業界の広範さから見ても、新型コロナウイルス感染症収束後の新潟県の経済復興のみならず、かねてから県が力を入れて取り組んできたインバウンドや交流人口の増加にも資する取り組みだ。今後、日本では東京五輪や大阪万博など大型イベントが開催され、大都市での会場確保が比較的難しくなる2025年ころまでの間は、MICE開催に当たって地方都市により注目が集まる期間とも言え、今後のMICEブレインの活躍が期待される。



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