【第3四半期決算】サトウ食品(新潟市東区)、売上は堅調も調達価格高騰で減益に

サトウ食品本社(新潟市東区)

サトウ食品株式会社(新潟市東区)は9日、2023年4月期第3四半期(連結)を発表した。売上高は319億5,800万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は22億5,300万円(同△19.8%減)、経常利益は25億4,100万円(同△16.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億5,700万円(同△15.8%減)となった。

同第3四半期連結累計期間の売上高は、包装米飯と包装餅製品ともに、主力製品を中心に堅調に推移し増収となった。利益面は、販売の増加と生産性向上により収益性の改善に努めたが、各種調達価格などの高騰を要因として、営業利益はいずれも前年を下回る結果となった。

また、サトウ食品グループは主力製品である包装餅が季節商品(特に鏡餅)であり、その販売が年末に集中するため、第3四半期連結会計期間の売上高と利益が他の四半期連結会計期間に比べ著しく増加する傾向がある。

製品分類別における販売の動向は以下のとおり。

 

包装米飯製品

近年の新型ウイルス禍による在宅時間の増加といった生活スタイルの変化に伴い、簡便・時短ニーズが高まったことで、家庭内での需要が拡大し、ストックとレンジ調理が可能なパックごはんの販売は堅調に推移しているという。また、世界的な穀物の価格高騰を受け、価格が比較的安定しているコメの存在感が高まり、米食に回帰する動きが活発化している。

包装米飯製品の売上高は175億2,800万円(前年同期比8.4%増)となった。

なお、サトウ食品は、約45億円を投じてパックごはん専用工場である聖籠ファクトリー(新潟県聖籠町)に新たな生産ラインを増設し、2024年の稼働時には年間4億食の生産能力を確保することで、将来的な需要拡大に対応していく。

 

包装餅製品

包装餅製品では、引続き通年需要の喚起に向けたテレビCMや企画商品の販売に積極的に取り組んでいる。これまで「プレミアムライン」、「レギュラーライン」、「トライアルライン」の3つにセグメンテーションしていた切り餅の商品ラインナップに、普段の生活や行動の範囲内で手を出せる高級品、いわゆる「プチ贅沢」需要に応える「プライムライン」を追加し、「サトウの切り餅特別栽培米新潟県産こがねもち」を2022年9月1日より全国販売開始した。

年末商材である鏡餅については、市場全体でダウンサイジング化傾向が進んでいることから、「どこでも簡単に飾れる手頃なサイズの鏡餅!」をコンセプトとし、顧客の様々なニーズに応えるため、化粧箱入りの「サッと鏡餅」と、置き場所を選ばない「小飾り」タイプの品揃え拡充を進めた。

包装餅の販売は、昨今の新型ウイルス禍を背景とした内食需要の拡大も落ち着きを見せ始めたことで、包装餅市場全体は前年を下回る状況で推移しているが、サトウ食品餅商品に関しては通年需要の喚起や、「ながモチフィルム」に代表される独自の強みを活かした販売提案などを積極的に行うことで、販促機会が例年以上に増加し、堅調に推移した。

鏡餅のダウンサイジング化がより一層進んだことにより、販売単価は減少したものの、餅商品全体の販売量の増加により、売上高は前年同水準で推移した。

その結果、包装餅製品の売上高は、144億1,500万円(前年同期比1.2%減)となった。

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