【手作り人形劇で詐欺の事例紹介】長年詐欺被害防止の啓発活動をしてきた女性2人へ、西蒲警察署が感謝状を贈呈 新潟市西蒲区

左から、西蒲警察署の岡崎信彦署長、石添智子さん、平原良子さん

西蒲警察署は2月22日、手作りの人形劇で高齢者へ特殊詐欺の手口を紹介し、被害防止のための啓発活動を行ってきた石添智子さんと平原良子さんへ署長感謝状を贈呈した。

石添さんと平原さんは以前、弥彦村で保育士として働いており、その退職後の2003年頃から、仕事での経験も活かして人形劇のボランティアを開始。現在の燕市や三条市、新潟市西蒲区の児童クラブや介護施設などを中心に活動していた。

最初は昔話を中心に演じていたが、「徐々に話がワンパターンになってきたと感じ、当時『オレオレ詐欺』が流行り始めていた頃だったこともあり、それを題材にした話をしてみようと思った」と石添さん。西蒲署の職員と相談し、実際の事例なども参考にしながらシナリオを作った。

長年の活動から、2019年には西蒲署の特殊詐欺被害防止推進員を委嘱された。警察から定期的に詐欺被害の情報提供を受け、劇へ反映している。

西蒲警察署で人形劇を披露

今回披露したのは、近年急増する「還付金詐欺」を題材にした話

22日、感謝状の贈呈後には実際に人形劇を披露。西蒲署の職員10人ほどが見学した。石添さんと平原さんは「専門家の方(警察官)へ向けて演じるなんて」と緊張した様子だったが、劇が始まると一変。コミカルな部分がありつつもリアルな騙しの手口を再現する熟練の演技に、終了後には拍手が起こった。

劇は老夫婦が主人公で、「おばあさん」が銀行員や区役所の職員を偽った詐欺師に騙されてしまうというもの。電話口で「還付金がある」と騙し、家まで訪れてくる偽物の銀行員が通帳などを騙し取る「手交型」と呼ばれる詐欺を再現。近年急増している「還付金詐欺」の一種だ。

劇は終始、地域にとって馴染のある方言混じりの口調で演じられることもあり、高齢者などには「身近な出来事として感じられるのではないか」と石添さんは話す。

感謝状を手に石添さんは「感謝状をいただくような大きなことをしているつもりはなかった。今まで人形劇を見てくれた人たちにもお礼を言いたい」と照れたように笑顔を浮かべる。

平原さんも「見た人に喜んでもらえるのが私達の一番の楽しみだが、(感謝状は)今までしてきたことが認められたのだと思う。普通は仕事を辞めたら人と接する機会が少なくなるが、人形劇を始めてからは多くの人と出会った。楽しい人生を送らせていただいている」と語った。

2人とも高齢なこともあり、2023年度で人形劇は引退する予定。特殊詐欺被害防止推進員も退任する。今後は、近隣の高齢者施設などから依頼があった際に人形劇を披露していくという。

西蒲警察署

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