【記者ノート】旧安塚中学校校舎がクルマエビの陸上養殖に活用、事業者は名古屋市のプロスペックAZ 早ければ来年度にも出荷!

クルマエビの陸上養殖の事業計画が進む旧安塚中学校の校舎跡
旧安塚中校舎がクルマエビの陸上養殖へ
上越市安塚区石橋にある旧安塚中学校が廃校になって3年目になるが、名古屋市で再生可能エネルギー事業を手がける株式会社プロスペックAZ(名古屋市中村区、遠山知宏社長)では、同中学校の空き校舎を活用して「クルマエビ」の陸上養殖を行い、早ければ来年度から出荷を目指すことになる。24日の上越市議会最終日で、同市が同社に対して年間賃借料が156万円で貸し付ける議案が可決され、同計画が大きく動き出した。と言うのも、同市では当初年間約4250万円程度で貸し付けたいとしていたものの、同社との交渉で156万円となってしまい、適正価格を下回る額での貸し付けには市議会の議決が必要だったからである。
同市では過疎化や少子高齢化が進み、特に中山間地などの小中学校が近年、廃校・統合で空き校舎が増え続けて来たが、その除却にも多額の費用が掛かるため、出来ればこうした未利用な公共財産の民間活用を模索し続けて来た。もちろんタイミングによってこれまで利活用されるケースも決してないわけではなかったが、活用する側の民間企業にとっては、例え賃借してもそう易々と利益を出せないのが現状であり、確かに慎重にならざるを得ないのが実情である。
もちろん、民間活用においては貸付企業との間での交渉で貸付額が決まるため、今回は何よりも市と業者双方での合意が優先された結果となったものだ。同市資産活用課では今回のケースについては、「貸付額が156万になったが、維持費に年間150万程掛かるため、それでも10年間で約3000万円がプラスにある。貸付側の市と貸借側の業者との合意には金額も含め大きなハードルがあったことは確かだ」と話している。
地元メニューによる「独自ブランド化」目指す!
事業者の説明では、旧安塚中にはソーラーパネルや雪冷房などもあり、事業者が再生可能エネルギーを手がけていることから、公募型プロポーザルで公募した。と言うのも同事業者は既に山口県美祢市で廃校施設での陸上養殖の経験があることから、市は優先交渉先に決定し、計画が加速していった。同社の計画では旧校舎内の1階教室や体育館に海水による水槽を十数槽設置するとともに、太陽光発電設備の増設で水温を約25度に保ちながら、出荷には1クール4~6カ月を要し、1槽で80キログラム程の生産が可能で、生産されたクルマエビは独自ブランド化を目指しながら、地元消費やふるさと納税返戻品など地元メニューによる地域活性化を図りたいとしている。
これまでの経過と今後のスケジュールについては、昨年5月現地見学会、今年3月に公募型プロポーザルによる選定委員会でプロスペックAZに決定、4月に地元住民への説明会、6月議会で貸付額(減額)可決、まもなく文科省への承認申請を経て市と業者側が8月上旬頃本契約を予定している。その後業者側による改修・準備などを経て、早ければ来年度から生産・出荷される予定とのことであり、公募型プロポーザルでは比較的スピード感を持っての実現となった。
竜哲樹(にいがた経済新聞ライター)