【注目の転職市場・医療介護】Komachi介護転職カウンター ―― 顔を見なければ伝わらない「求人票の向こう側」

目次

1. 介護現場の人材難は「採用広報の遅れ」に原因

2.求められる介護転職の対面型マッチングサービス

3.「現場を知るスタッフが対面で」その大きな意味

4.資格試験対策や初任者研修のカリキュラムも

 

介護現場の人材難は「採用広報の遅れ」に原因

厚生労働省の調査を基にした公益財団法人介護労働安定センターの資料によると、介護職員数は2024年10月1日時点で212万6,227人、前年比ではわずか487人増にとどまっている。過去20年で見ると介護職員数は大きく増えたが、直近では「増えている」とはいえ、実態はほぼ横ばいである。

株式会社ドットコム・マーケティングが発行する「Komachi介護転職・新潟の介護の仕事がよくわかる2024–2025版」によると、2022年度の新潟県の介護職員数・常勤換算数は約33,800人であり、2018年からほぼ横ばいで推移している。6割強の介護福祉事業所で「従業員が不足していると感じている」という調査報告もある。少子高齢化が顕著な地方では、人材確保の頭打ちが目立っている。

介護福祉業界は人材市場で重みを増しているが、人気にならないのは「採用広報」の遅れが原因だという見方がある

介護業界は中途採用への依存度が高い。実際、介護職員と訪問介護員では、直前の仕事が「介護・福祉・医療関係以外」の人の割合が最も高く、介護職員で47.1%、訪問介護員で48.2%となっている。他業界からの転職者はすでに重要な供給源である。

介護現場における人材不足の解決には他業界からの転職がカギを握るのは確かだが、ここが伸び悩んでいる理由はどこにあるのか。ここでクローズアップされるのが、この業界特有の「採用広報の遅れ」である。

転職市場全体においても、介護福祉の位置づけは以前より確実に上がり、重みを増している。要因は「介護職員の処遇改善」と「社会的必要性と雇用安定性の高い専門職としての認められ方」にある。高齢化を背景に需要は構造的に強く、景気変動に左右されにくい安定職種であることに加え、未経験者や異業種転職者を受け入れる専門職としての性格も強まっている。処遇改善加算などにより、賃金やキャリア形成の仕組みも整備されつつある。

一方で、社会的評価や求職者からの人気が十分に追いついているとは言い難いのが現状だ。現場では離職率の低下など改善の兆しが見られるものの、採用率は伸び悩み、人手不足感はなお強い。介護職は「必要とされる仕事」としての市場価値を高めているが、「選ばれる仕事」になるには、賃金、働き方、キャリアパス、職場環境の改善をさらに可視化していく必要がある。可視化がうまくいっていない、現在のリアルな介護現場が伝わっておらず、いまだに「報われない仕事」のイメージがはびこってしまっていることを指して、この業界特有の「採用広報の遅れ」によるものなのだ。

求められる介護転職の対面型マッチングサービス

Webの画面だけの情報、求人票に書いてある雇用条件だけでなくその先にあるリアル――「職場の人間関係はどうか」「未経験でも本当に続けられるか」「夜勤はどの程度きついのか」「身体的負担はどれくらいか」「利用者層や施設の雰囲気は自分に合うか」「資格を取ったら、どうキャリアが開けるのか」などを、求職者は求めているのではないか。

そうした背景から今、全国的に「介護転職の対面型マッチングサービス」が注目され、徐々に数が増えている。業界の採用広報の遅れを補完する「翻訳装置」としての需要である。

新潟ではまだ対面型の介護転職カウンターは数少ないが、新潟市西区にある「ショッピングセンター・アピタ西」内に2025年11月「Komachi介護転職カウンター」が開業した。介護現場に従事した経験を持つスタッフが、募集施設のリアルな情報を携えながら伴走してくれる、介護転職希望者にとっては頼もしいサービスとなっている。

新潟市西区小新の「アピタ新潟西」内にオープンした「Komachi介護転職カウンター」

 

「現場を知るスタッフが対面で」その大きな意味

カウンターの事業者は「月刊Komachi」の出版元として知られるニューズライングループの株式会社ドットコム・マーケティング。デジタルマーケティング、WEBシステム開発を軸として2000年に設立。

グループ創業者の政金一嘉氏は、企業活動による社会課題解決への想いが強く、将来的に訪れる医療・介護分野の人材不足に向き合って、事業のシフトを切った。2010年に情報フリーペーパー「介護御用聞きネット」、2013年に「新潟の介護がよくわかる総合ガイド」(有料版)を発刊。そして2014年に医療・介護向けの職業紹介サービス「Komachi介護転職」をスタートした。

リクルーティングサービスはその後、介護以外の業界にも拡大。2017年に一般職種の人材紹介「新潟転職Komachi」をスタートし、現在では新潟県内でトップクラスの実績を誇る人材エージェント企業にまで成長した。しかしその根幹はもともと、介護福祉に置かれていたものであり、この分野においては新潟でも先進事例を有している。一般県民にはメディア企業として知られたニューズライングループが介護転職カウンターを展開することにおいて、唐突感は一切ない。むしろKomachiブランドの知名度は大きな強みである。

(写真左)板垣大介さんと石井絢佳さん

今回はカウンターアドバイザーの板垣大介さん(介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、産業ケアマネジャー)、石井絢佳さん(介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士)の二人に話を聞いた。ともに介護現場で就労経験を持っており、知見豊富なだけでなく現場の実情を熟知している。また、県内各所の介護福祉施設に広くネットワークを構築し、施設それぞれの内情にも精通している。

相談は無料。まさに介護業界の「採用広報の遅れ」をカバーできるのが、こうした経験と知見が豊富なアドバイザーが対面で相談に乗る「実店舗」の存在である。

「ネットでの相談ではなく、直接会って相談できる安心感は転職に不安を抱える求職者にとってはとても心強いと思います。今では遠方からもわざわざ直接相談に来てくれることも増えてうれしく思います。またショッピングセンターというロケーションは、気軽に立ち寄っていただける利点があります。カウンターを訪ねて、即転職を決めるというよりも(注:もちろん即決まるケースもある)、概要を知っていただいて、いったん持ち帰って熟考される、というので良いと思います。それこそ立ち話の感覚で気軽に相談していただけたら」(板垣さん)

「Komachi介護転職サイトでネット登録した方でも、直接会えるKomachi介護転職カウンターに来てもらい相談することもあります。お互いに顔を合わせてコミュニケーションを取ることで安心して相談していただけ、要望やニーズを聞き取ることもできるので、転職先とのマッチングも高く、納得の上で転職できると感じています」(石井さん)

転職サービスだけでなく、施設の紹介でカウンターを訪れた人にとっても心強い場所だ。多くの施設を取材してきた専門家に直接会って相談できるのは信頼性が高い。包括的な介護情報のプラットフォームとして、買い物ついでに気軽に立ち寄ることができるのはありがたい。

 

資格試験対策や初任者研修のカリキュラムも

Komachi介護転職カウンターでは上記の通り、転職希望者と職員を募集をしている施設をマッチングするサービスが主体となる。利用者は経験豊かなスタッフを通じて、施設の実情に即した情報を得られるほか、見学の橋渡しや場合によってはスタッフの同行も可能。定期的に施設の見学会も開かれている。業界事情に詳しくない異業種からの転職組にとっては心強い。

介護職員初任者研修の様子

また介護職においてのキャリアアップサポートにおいても、Komachiケアカレッジが強い味方になってくれる。介護職員初任者研修(受講すると介護福祉士の資格取得に必要な実務者研修450時間のうち130時間が免除される)や、資格試験の対策まで支援してくれる。介護職を「誰でもできる仕事」としてアナウンスするのではなく「未経験から専門職へ成長できる仕事」としてしっかりキャリアルートを描いた伝え方をすることは重要だ。

板垣さんは国家資格介護福祉士の受験対策講師も務める

 

スタッフの板垣さんは教員の経験を活かし、ケアカレッジでも介護福祉士国家試験対策の講師として教鞭をとっている。教員時代に学生の進路相談なども経験しているため、就職相談においても本人のニーズに合わせてわかりやすく説明してくれる。石井さんは精神科の医療現場やソーシャルワーカー、デイサービスの相談員、特別養護老人ホームのケアマネジャーという幅広い経験で築かれたネットワークを有し、豊富な情報からその人に合った転職先を一緒に考えてくれる。

ショッピングセンター内の一角という気軽に立ち寄れる立地ながら、知見豊富なプロの相談員が転職相談に乗ってくれる。全国的に見てもここまで手厚い転職相談カウンターは珍しく、新潟県内での商業施設初の介護の総合相談窓口となっており、他社との明確な違いとなっている。

介護職自体は、まだ「人気職」になったとは言えないものの、以前より確実に「報われる職場」にはなっている。それが伝わりきっていないのは、介護業界の採用広報が「変わった職場の実像」を、求職者が判断できる情報に変換できていないことが理由だ。求職者が抱く不安に、広報が先回りできていないのが問題なのである。

だから経験豊かな専門相談員と、顔を合わせながらなんでも事細かに質問できる、一種のアナログな仕組みが有用になってくる。求職者、特に業界未経験の転職者にとっては、この「わかりみ」こそが不安払しょくにつながる。

介護職は「検索して選ぶ仕事」だけではなく、「相談して納得する仕事」になっている。

介護転職のことならトータルにワンストップで相談に乗ってもらえるのがありがたい

(文章・写真  伊藤 直樹)

<グーグルマップ「アピタ新潟西(Komachi介護転職カウンター)」>

 

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