【新潟県内・10月の倒産情報まとめ】負債総額は約5億円、老舗企業など12事業者が経営破綻

2026年10月、にいがた経済新聞では、新潟県内の12事業者の倒産を11件の記事で報じた。判明している負債総額は少なくとも約4億9,928万円に上り、製造業や建設業、衣料品販売業など幅広い業種で経営破綻が相次いだ。
中には、創業100年以上の歴史を持つ衣料品販売店や、長年にわたり地域の産業を支えてきた製造業者も含まれる。
背景には、需要の減少や同業他社との競争激化に加え、原材料費などのコスト上昇による収益悪化が見られた。
10月1日から31日までに掲載した倒産関連記事を振り返る。
株式会社平山(新潟市西区)
土木工事業の株式会社平山は9月24日、新潟地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債は債権者約30人に対して約6,500万円。
同社は2019年11月設立。県内外の同業者を得意先として、トンネル改修や道路改良などの工事を手がけ、2021年10月期には約9,500万円の年売上高を計上していた。
しかし、受注が減少傾向となり、2025年10月期の年売上高は約8,500万円に低下。赤字が続いて債務超過に陥り、2026年5月中に事業を停止していた。
流通管財株式会社(新潟市中央区)
貨物自動車運送業の流通管財株式会社は9月14日、新潟地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は債権者2人に対して約9,000万円。
同社は1969年創業、1978年11月法人化。建設関係の重機や長尺物、鋼矢板などの運搬を主力とし、1996年4月期には約3億円の売上高を計上していたとみられる。
しかし、その後は市況低迷などの影響で売上高が減少し、他社へ事業を譲渡。2026年5月に商号を変更するとともに解散し、清算手続きを進めていた。
株式会社クワサンプラス、株式会社クワサンエディット(新潟市西区)
ホームページ制作などを手がける株式会社クワサンプラスと、関係会社の株式会社クワサンエディットは10月6日、新潟地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は調査中。
クワサンプラスは2013年創業、2016年法人化。一般企業や団体を対象にホームページ制作、パンフレットや企業ロゴのデザインなどを展開し、2018年3月期には約1億円の年収入高を計上していた。
しかし、その後は受注が減少し、2026年3月期の年収入高は約5,000万円まで落ち込んだ。収益面も低調に推移し、事業継続を断念した。
クワサンエディットは2018年に設立され、地域のスポーツ紙や広報誌などの編集を手がけていたが、クワサンプラスの破産に連鎖する形となった。
有限会社総和住建(長岡市)
建築工事業の有限会社総和住建は10月9日、新潟地裁長岡支部から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約7,000万円。
同社は2001年創業、2003年設立。一般住宅の新築工事を中心に、増改築工事や耐震補強工事など幅広い建築案件を手がけてきた。
しかし、同業他社との競争激化や価格競争に加え、建築コストの上昇が収益を圧迫。住宅市場の低迷も重なり、事業継続を断念した。
上杉快運合同会社(新潟市江南区)
整骨院を運営する上杉快運合同会社は10月13日、新潟地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は調査中。
同社は2023年7月設立。整骨院を経営していたが、同業者の増加による競争激化や施術スタッフの不足などが影響し、2026年7月期の年収入高は約2,500万円にとどまった。
赤字が続く中で資金繰りが困難となり、事業継続を断念した。なお、整骨院事業は別会社が引き継ぎ、営業を継続している。
有限会社ほてい屋(柏崎市)
衣料品販売業の有限会社ほてい屋は10月14日、新潟地裁長岡支部から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は2,428万円。
同社は1911年に呉服店として創業した老舗。呉服や洋服地の販売を経て、1981年ごろから子供服専門店として営業し、着物の販売や着付け教室なども展開してきた。
しかし、同業他社との競争が激化する中、物価高による仕入れコストの上昇や消費者の購買意欲の低下などが影響。業績低迷が続き、事業継続を断念した。
有限会社丸忠(三条市)
高級刃物の販売などを手がける有限会社丸忠は10月15日、新潟地裁三条支部から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は調査中。
同社は1977年設立の老舗企業。職人向けの鉋(かんな)や鑿(のみ)などの高級打刃物を販売するほか、刃研ぎや工具の調整・メンテナンスなども手がけてきた。
地域の金物店への納品を主体として、2017年6月期には約1億円の売上高を計上していた。
しかし、その後は需要の落ち込みによって売上高が減少し、収益面も悪化。2023年8月に事業を休止・解散し、今回の破産に至ったとみられる。
KT商事株式会社(長岡市)
産業機械部品や工作機械部品の製造を手がけていたKT商事株式会社は10月13日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約2億5,000万円。
同社は1965年設立。長岡市を拠点にオーダーメイドの機械部品などの設計・製造を手がけ、2019年8月期には約5億円の売上高を計上していた。
しかし、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染拡大などの影響によって業績が悪化し、赤字が続いていた。
2025年10月に新設会社へ事業を譲渡し、2026年5月に解散。その後、清算を進めていた。
有限会社衣や吉澤(阿賀野市)
仏具販売などを手がける有限会社衣や吉澤は10月20日、新潟地裁新発田支部から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は調査中。
同社は1984年6月設立。資本金は1,000万円、従業員は1人。
ブーランジェ ルクール(新潟市東区)
パンの製造・販売を手がける個人経営のベーカリー「ブーランジェ ルクール」は10月21日、新潟地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は調査中。
同店は新潟市東区有楽で営業していた。
株式会社重山がくぶち(長岡市)
木製額縁の製作販売などを手がける株式会社重山がくぶちは10月21日、新潟地裁長岡支部から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は調査中。
同社は1963年創業の老舗企業。日本画や版画などに用いる木製額縁を製作し、長年培ってきた加工技術で取引先からの信頼を築いてきた。
しかし、デジタル化に伴う美術作品の鑑賞スタイルの変化や、住宅着工戸数の減少によって額縁需要が縮小。2025年6月期の売上高は2,982万円にとどまり、935万円の当期純損失を計上していた。
市場縮小と採算悪化が進む中、先行きの見通しが立たず、事業継続を断念した。
10月に報じた倒産事例を見ると、需要の減少や競争激化に加え、原材料費などのコスト上昇が経営を圧迫したケースが目立つ。特に、長年にわたり地域で営業してきた老舗企業の経営破綻も相次ぎ、地域産業を取り巻く厳しい経営環境が浮き彫りとなった。
また、ホームページ制作や整骨院などのサービス業でも経営破綻が発生しており、業種を問わず事業環境の変化への対応が課題となっている。
なお、負債総額が調査中の事業者もあるため、実際の負債総額は約4億9,928万円を上回る可能性がある。
この記事は10月31日までに、にいがた経済新聞が掲載した倒産関連記事を基にまとめたもので、10月中に発生した新潟県内の企業倒産全体を集計したものではない。